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翻訳コラム

COLUMN

第139回Googleがカメラつきコンタクトレンズを特許出願

2014.04.24
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

Googleがカメラの入ったコンタクトレンズを特許出願したと話題になっています。この記事はWIREDの「グーグルの「カメラ内蔵コンタクトレンズ」が可能にするもの」をご覧ください(http://wired.jp/2014/04/16/google-contact-lenses-cameras/)。
特許出願の番号をUSPTOで検索したのですが、うまく探せませんでした。まず発明の名称がわかならい。私は相当検索に慣れているつもりですが、探せません。どなたかわかったら教えてください。
しかしコンタクトにカメラが入っているとは・・・。これにどういう効果があるのか?コンタクトは視力を補強するものだから、なぜそこに更にカメラが必要なのか?
この記事にもあるように、Googleは涙から血糖値を測定する技術を開発しているが、今回の特許出願にこれは含まれているのか?しかしその場合なぜカメラなのか?
このカメラは何を撮影するのか?装着者の目の状態か?それとも装着者が見ているものか?
私は是非、この発明を相手の顔を撮影することに役立ててほしいです。人の顔を一回では覚えられない私は、次に会ったときはもうわからない、という失態をやったことがよくあります。写真付きの名刺も便利ですが、名刺を出してくれない相手の顔を撮影して欲しいです。「話を聞かない男、地図が読めない女」(アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ著)という本が話題になったことがありますが、私もまさに女脳です。このカメラ付きコンタクトを図形把握の苦手な女子に役立てることはできるのか?
記事によると主に視覚障害者の方に役立つようですが、予想するに、視覚障害者がこのコンタクトを装着し、カメラが視界に入るものを撮影してことばで伝えるのではないでしょうか。ナビゲーションの機能も持つと予想されます。
Google Glassもメガネにコンピュータを搭載したもので、Googleはウエラブルなセンサやカメラに力を入れています。

ところでNHKの朝ドラの「花子とアン」は「赤毛のアン」を訳した村岡花子さんの生涯をやっているとのこと。お孫さんの村岡恵里さんの小説「アンのゆりかご村岡花子の生涯」のドラマ化です。女学校の授業風景で既に奇抜な翻訳の場面を見せています。村岡恵里さんは6月のI-JETの翻訳国際会議でも講演されることになっているので楽しみです。
Googleのwearable技術から文芸翻訳まで、翻訳は幅広く話題になる分野です。

今週のポイント

  • Googleがカメラを内蔵したコンタクトレンズの出願をしていることがわかった。Googleはwearable技術に力をいれている。

奥田百子

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書

  • もう知らないではすまされない著作権
  • ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
  • 特許翻訳のテクニック
  • なるほど図解著作権法のしくみ
  • 国際特許出願マニュアル
  • なるほど図解商標法のしくみ
  • なるほど図解特許法のしくみ
  • こんなにおもしろい弁理士の仕事
  • だれでも弁理士になれる本
  • 改正・米国特許法のポイント