第217回呼びかけ方
僕が中国語を勉強し始めたのは、1987年ですから、、、もうすぐ30年に手が届くのですねぇ。
その頃は、店員さんなどに呼びかける時、こんなふうに言うように習いました。
同志!
tóng zhì
これ、老若男女、誰にでも使える非常に便利な表現でした。ちょっと共産主義的な匂いのする語彙ではありますが、誰に使ってもよかったので、呼びかける時に色々悩まなくてもよかったのです。
でももう今では使えません。使っても大丈夫、通じますよ。でも、ちょっと失笑を誘うかも(笑)。
では、今はどうやって呼びかけたらいいのでしょうね〜。
男性だったら
先生!
xiān sheng
と呼びかければいいので便利なのですが、女性に呼びかける時って困るのですよね。特に若い女性に呼びかける時、よくテキストに書いてあるのは
小姐!
xiăo jiě
ですが、これは最近嫌がる人も増えてきていると言いますしね〜。
先日、中国人がやっている中華料理屋で飲み会をやりました。とってもおいしかったので大満足でした。その時そこのお店で、中国人客(男性)が中国人の店員(女性)にこんなふうに呼びかけていました。
美女!
měi nǚ
お!すごい表現!
一緒にいた中国人の友達(女性)に尋ねると、最近時々聞く言い方だとか。「若い女性で『美女』と言われて嫌がる人はいないでしょうね〜」とも言っていました。
もしかしたら「美女」という呼び方が救い主となるかも!な〜んて思った次第です。
でも、若い女性に「美女!」って呼びかけるのって、今の日本では場合によってはセクハラと言われかねない行為。ちょっと勇気が要りますね(笑)。
ちなみに、若い男性の店員には
帅哥
shuài gē
と女性客が呼ぶことがあるそうです。これは、伊藤はまだ実際には聞いたことがないのですが、なかなかおもしろいですね〜。
「帅 shuài」には「カッコイイ」という意味があります。ですから「帅哥」は「カッコイイお兄さん」つまり「イケメン」というような意味なのですが、それを若い男性の店員を呼ぶ時に使うわけですよね〜。
日本だったら「ちょっと、イケメンのお兄さん!」なんて呼びかけるのは中年のオバサンって感じがしますけどね(笑)。
本当に言葉はナマモノですね〜。どんどん変わっていきます。よ〜く観察していきたいものですね。
伊藤祥雄
1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了
通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当
著書
- 文法から学べる中国語
- 中国語!聞き取り・書き取りドリル
- CD付き 文法から学べる中国語ドリル
- 中国語検定対策4級問題集
- 中国語検定対策3級問題集
- ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本