第438回“也”か“都”か
唐突ですが(笑)、私はサッカーに少しも興味がないって中国語だとこう言いますね。
我对足球一点儿也不感兴趣。
Wŏ yìdiănr yě bù găn xìngqù.
“一点儿+也/都+否定形”という強調表現、よく出てきますね~。
前に「少し」という言葉を出して、「少しのそれすらも~ない」という感じで強調するのですね。前に置くものは“一点儿”でなくとも“一+量詞(+名詞)”でもいいです。例えば:
他一句话都没跟我说。
Tā yí jù huà dōu méi gēn wŏ shuō.
彼は一言も私と話さなかった。
同じような強調表現で、疑問詞を使う物もありますね。“疑問詞+也/都~”です。これは“也/都”の後ろは否定形でない場合もあります。
哪儿都不去。
Năr dōu bú qù.
どこにも行きません。
谁都知道。
Shéi dōu zhīdao.
誰でも知っています。
それから、似たような強調表現で“连…也/都~(…さえ~)”というのもありますね。例えば:
连他都没去过。
Lián tā dōu méi qù guo.
彼ですら行ったことがありません。
连孩子都知道。
Lián háizi dōu zhīdao.
子どもでさえ知っています。
さて、これらの強調表現は、必ず“也/都”が使われますが、この使い分けについては、テキストによって触れられていたりいなかったりです。皆さんはご存知ですか?
実は、“也/都”の後ろの部分が否定形であれば、“也”でも“都”でもOKです。ところが、後ろの部分が肯定形の場合は“也”は使えません。
ですから、“一点儿+也/都+否定形”と“一+量詞+也/都+否定形”は後半部分が必ず否定形なので、“也”でも“都”でもOKです。
しかし、それ以外の強調表現は、注意が必要ですね。上の例で見てみましょう。
○哪儿都不去。
○哪儿也不去。
○谁都知道。
×谁也知道。
○连他都没去过。
○连他也没去过。
○连孩子都知道。
×连孩子也知道。
ややこしいなと思われるかもしれませんが、要するに、“都”はどちらでも使えるので、迷ったら“都”を使えばいいですね。僕も実はそうしています(笑)。
伊藤祥雄
1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了
通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当
著書
- 文法から学べる中国語
- 中国語!聞き取り・書き取りドリル
- CD付き 文法から学べる中国語ドリル
- 中国語検定対策4級問題集
- 中国語検定対策3級問題集
- ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本