第474回結果補語の“到”
皆さんは結果補語ってお好きですか?
僕は、そうですね~。方向補語ほど難しくはないものの、なんとなく説明しにくいので、大好物ではないですかね(笑)。
さて、結果補語は動詞の後にくっついて、動詞と同化します。だから、目的語は結果補語の後に置かれますね。例えば:
我已经学完了第八课。
Wŏ yĭjing xuéwán le dì bā kè.
私はすでに第8課を学び終えた。
動詞“学”に結果補語の“完”がくっついて、あたかも“学完”という1つの動詞かのようになり、結果補語の後に目的語“第八课”が来ています。
しかし、結果補語の中には、後ろに動詞の目的語を置くことのできないものもあります。代表的なものとしては“在”がありますね。
我放在书包里了。
Wŏ fàngzài shūbāo li le.
私はカバンの中に入れた。
“放”という動詞に“在”が結果補語としてくっついているわけですが、“在”の後は場所を表す言葉が必ず来ます。ですから、目的語を置く場所がこの文にはないのですね。では、例えば「私は財布をカバンの中に入れた」と言いたい場合はどうしましょうか。「財布を」という目的語を盛り込む場合のやり方、分かりますか?
我把钱包放在书包里了。
Wŏ bă qiánbāo fàngzài shūbāo li le.
そう、“把”字句を用いるのですね。
こういうふうに、目的語を結果補語の後に入れられないような、そんな結果補語。“在”の他に“给”“到”“成”“作”などがありますね。
その中で、“到”はちょっとややこしいです。というのは、「動詞+“到”」は後ろに普通の目的語が来ることもあるからです。
餐厅晚上开到几点?
Cāntīng wănshang kāidào jĭdiăn ?
レストランは夜何時まで開いていますか?
我们学到了第八课。
Wŏmen xuédào le dì bā kè.
私たちは第8課まで学んだ。
この2つの例文は、“到”の後が目的語ではなく、それぞれ「時点」「場所」を表す言葉で、「~まで…する」という意味になりますね。しかし、次の例文は?
我终于找到适合的帽子了。
Wŏ zhōngyú zhăodào shìhé de màozi le.
私はとうとうぴったりの帽子を探し当てた。
この例文の場合、「ぴったりの帽子」は明らかに“找(探す)”という動詞の目的語です。このような場合の結果補語“到”は、「目標に達する、目的を達成する、望んでいたものに手が届く」というようなニュアンスを添えます。
どういう意味で使われている“到”なのか、うまく見極められるようになりたいものですね。
伊藤祥雄
1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了
通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当
著書
- 文法から学べる中国語
- 中国語!聞き取り・書き取りドリル
- CD付き 文法から学べる中国語ドリル
- 中国語検定対策4級問題集
- 中国語検定対策3級問題集
- ぜったい通じるカンタンフレーズで中国語がスラスラ話せる本