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翻訳コラム

COLUMN

第6回パナソニックも特許を無償開放

2015.03.26
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子

また特許無償公開のニュースです。パナソニックがIoT技術の特許を約50件、無償公開を発表しました。先日のトヨタの特許無償公開に引き続いて、また気前が良いとの印象を受けますが、今後、これが企業の特許戦略となっていくでしょう。
ところでIoTとはInternet of Thingsの意味で、「モノのインターネット」です。プレイヤーやスマホ、携帯端末など通信機器、電子機器をパソコンに接続することは行われていますが、本当の「モノ」をインターネットに接続します。例えば家具、調理機器、家庭用機器、自動車などあらゆる「モノ」が考えられ、物のほか人間や動物までインターネットにより様々なデータが管理できるようになります。
これらの物の状態を人間が手で入力していたのが、インターネットに接続することにより、これら管理できるようになります。
IoTは将来が期待される分野なので、特許を開放することで、他社の市場参入を許し、結局はパナソニックが指揮を執るという狙いがあると予想されます。無償開放される特許の特徴としては、トヨタの燃料電池車といい、将来有望な分野であるということです。だからこそ自社の特許を知ってもらい、他社に追随してもらい指揮を執ることの方が、ロイヤリティを得るよりも有効と考えるのでしょう。
しかも特許を取得されている技術ということになれば、価値の証明にもなります。利用する側にとっても利益があるでしょう。

翻訳

We have another news on royalty-free disclosure of patents. Panasonic announced royalty-free disclosure of about 50 patents for “IoT” technology. Followed by Toyota’s royalty-free disclosure of patents, this gives an impression of a generous decision, which will be a general patent strategy of companies.
“Iot” refers to “Internet of Things”. Communication devices, electronic devices such as players, smart phones, mobile terminals are ordinarily connected to PCs while IoTs connect genuine “things” to the Internet. “Things” can be thought of as various kinds of things, for example, furniture, cooking appliances, home appliances, automobiles, and even animals and human beings, for which data may be managed by the Internet.
Instead of manually inputting the status of these things, connecting them to the Internet allows management of data.
“IoT” is a promising technology, therefore, disclosure of its patents will possibly permit other companies to enter the market, and Panasonic is expected to consequently take leadership, which may also be their plan. Such patents of royalty-free disclosure including Toyota’s patents for fuel cell vehicles are promising technology. For this reason, making the patents widely known and permitting other companies to follow the technology would consequently allow the company to take initiative, which is more advantageous than receiving royalties.
Additionally, technology for which patents are granted can guarantee its value, which provides advantages for people who use them.

奥田百子

東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)

著書

  • もう知らないではすまされない著作権
  • ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
  • 特許翻訳のテクニック
  • なるほど図解著作権法のしくみ
  • 国際特許出願マニュアル
  • なるほど図解商標法のしくみ
  • なるほど図解特許法のしくみ
  • こんなにおもしろい弁理士の仕事
  • だれでも弁理士になれる本
  • 改正・米国特許法のポイント