第169回知財教育用ビデオが多くつくられるようになりました
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子
最近、知財教育用ビデオが多くつくられるようになりました。日本弁理士会が作成した
「どうすれば特許を取れるの?」
https://www.youtube.com/watch?v=ZAKOrRaSyFs
は、タレントの鈴木愛梨さんが弁理士に相談に訪れ、ある玩具の特許が取れるかを尋ねるというストーリーです。
このビデオは社員研修、教育現場、クライアントとの面談など様々な場面でお使いください、ということで弁理士会から送信されてきました。
学校教育の現場でも著作権の教育が始まっています。ブログやFacebook、Twitterなどを通して誰でもが容易に執筆者になれる今日、著作権の知識は大人に限らず中高生、子供たちにも必要です。
知財教育用ビデオは著作権フリーのものが多く、これも知的財産を広めたいという思いからでしょう。知財を啓蒙するための映像を著作権により自由に上映できないのであれば、ビデオを作成した主体、啓蒙者を保護し過ぎることになってしまリ、著作権は自分自身の啓蒙を自分で妨げることになってしまいます。
知財教育用ビデオこそ自由に利用できるようにすべきです。
もうひとつご紹介したい知財教育ビデオがあります。
「もうけの花道知財戦略のススメ」(経済産業省中国経済産業局中国地域知的財産戦略本部)
http://www.chugoku.meti.go.jp/ip/index.html
Recently, there have been many videos produced for the purpose of educating people about Intellectual Property. One of them is “How to obtain patents?”, produced by the JPAA (Japan Patent Attorneys Association), in which TV personality Airi Suzuki visited a patent attorney to ask if a certain toy could be patented or not.
https://www.youtube.com/watch?v=ZAKOrRaSyFs
The JPAA released this video to be used in various situations, such as training employees, educating students, and discussing with clients.
Junior and senior high schools have begun teaching about copyrights. Both students and adults need to know about copyrights, because anyone can easily become an author through blogs, Twitter, Facebook, etc.
Most educational videos on Intellectual Property are not copyrighted, probably because of the idea of spreading knowledge of Intellectual Property. If educational videos on Intellectual Property were prohibited from being shown freely, both the people who produced the videos and the educational contents of the videos would be protected excessively; copyrights would be the very thing preventing them from spreading knowledge about copyrights.
I think that videos teaching about Intellectual Property should be used freely.
I have one more video I would like to introduce. Please give it a watch.
“The Profit Runway: Recommendations on Intellectual Property Strategy” (Ministry of Economy, Trade and Industry; Chugoku Bureau of Economy, Trade and Industry; Chugoku Region Intellectual Property Strategy Headquarters)
http://www.chugoku.meti.go.jp/ip/index.html
奥田百子
東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)
著書
- もう知らないではすまされない著作権
- ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
- 特許翻訳のテクニック
- なるほど図解著作権法のしくみ
- 国際特許出願マニュアル
- なるほど図解商標法のしくみ
- なるほど図解特許法のしくみ
- こんなにおもしろい弁理士の仕事
- だれでも弁理士になれる本
- 改正・米国特許法のポイント
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