第181回コメダ珈琲店にマサキ珈琲店が似ているという事件
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子
以前、このブログで紹介しましたが、東京地裁がコメダ珈琲店((株)コメダ)の内外装にマサキ珈琲店((株)ミノスケ)の内外装が似ているという事件がありましたが、似ているとは認められなかった点があります。
それは、飲食物とその容器の組合せです。
この東京地裁の判決(平成27(ヨ)22042号)「別紙2」15/17頁には、以下の写真があります(これは、マサキ珈琲の写真です)。
最高裁ウエブサイト(http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/545/086545_option2.pdf)よりダウンロード
ブレンドは白、アメリカンは緑、カフェオレはクリーム色の下がくびれた形のカップで出されることが書かれています。
コメダ珈琲店のウエブサイト(http://www.komeda.co.jp/menu/coffee.html)でメニューを見ると、やはり下がくびれた形の白、緑、クリーム色などのカップが写っています。
しかし裁判所では、飲食物と容器の組合せは出所表示としては弱い、需要者の記憶には残り難い、この組合せはコメダ珈琲の表示としては広く知られているという疎明がないという理由で、商品等表示ではないと判断されました(平成27(ヨ)22042))。
要するに、下がくびれたコーヒーカップはありふれているし、コーヒーの種類などメニューによって容器を変えるというアイディアは、コメダ珈琲の特徴として広く知られているとはいえない、というのが結論です。
In a recent blog post, I talked about how the Tokyo District Court determined that the interior and exterior designs of Masaki’s Coffee shop (Minosuke Corporation) are similar to those of Komeda’s Coffee (Komeda Corporation). However, there was one point that was not determined as similar.
It was the combination of food and drinks with their containers.
Page 15 of “Appendix 2” to this Tokyo District Court decision (Heisei 27(yo) No. 22042)includes the following photographs (of Masaki’s Coffee).
Downloaded from the Japanese Supreme Court website(http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/545/086545_option2.pdf)
This says that blended coffee is served in white cups, Americano coffee in green cups, and cafe-au-lait in cream-colored cups, and all of the cups have constricted lower parts.
The Komeda’s Coffee website (http://www.komeda.co.jp/menu/coffee.html)shows menus with white, green, and cream-colored coffee cups with constricted lower parts.
The court, however, determined that the combinations of food and drinks with their containers are not an indication of the goods and services of Komeda’s Coffee because they are weak as marks indicating the source of those goods and services and do not make a strong impression on the consumers; thus, no prima facie case was made showing that these combinations are well known as indications of Komeda’s Coffee (Heisei 27 (yo) No. 22042).
I think that the court’s conclusion is that coffee cups with constricted lower parts are common and the idea of different types of coffee being served in different types of containers is not well known as a specific characteristic of Komeda’s Coffee.
奥田百子
東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)
著書
- もう知らないではすまされない著作権
- ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
- 特許翻訳のテクニック
- なるほど図解著作権法のしくみ
- 国際特許出願マニュアル
- なるほど図解商標法のしくみ
- なるほど図解特許法のしくみ
- こんなにおもしろい弁理士の仕事
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