第191回中国が知的所有権侵害を認めた
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子
米国は中国産製品に追加の関税を課する方針です。中国には知的所有権を侵害しているという弱みがあります。報道によると、中国は知的所有権を侵害したり、外国企業に技術移転させることの強制を認めたそうです。この点で、中国に対する追加関税は懲罰の意味があります。
今や中国は経済大国を誇っていますが、最近、その経済成長は鈍化しています。
理由の一つは、中国も日本と同じように高齢化社会という問題点を抱えているからです。他の理由として、私は知的所有権の侵害による他国の中国に対する信用の失墜もあると思います。中国は知的所有権侵害を認めたといっても、日本に入ってくる模倣品を見れば、中国の知的所有権侵害は一目瞭然であるため、「今更」という印象を受けざるを得ません。
The US will impose additional customs duties on products originating from China. Historically, China has had the disadvantage of infringing upon Intellectual Property rights. According to the news, China admitted that it has infringed upon Intellectual Property rights and pressured overseas companies to transfer their techniques. In this regard, imposing additional customs duties on China is to be interpreted as a punishment.
Currently, China is proud of being an economic superpower; however, its economic growth has been recently slowing down.
One reason is that China has a problem with its aging society (similarly to Japan). I think that another reason is China’s continued infringement of Intellectual Property rights, which has undermined other countries’ trust in China. Although China admitted to infringing upon Intellectual Property rights, I feel that this gesture is “too late” because China’s infringement of Intellectual Property rights can be clearly seen from the counterfeit products imported to Japan.
奥田百子
東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)
著書
- もう知らないではすまされない著作権
- ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
- 特許翻訳のテクニック
- なるほど図解著作権法のしくみ
- 国際特許出願マニュアル
- なるほど図解商標法のしくみ
- なるほど図解特許法のしくみ
- こんなにおもしろい弁理士の仕事
- だれでも弁理士になれる本
- 改正・米国特許法のポイント
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