第198回マリオカート事件の控訴審中間判決が出る
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子
マリオカート事件で、二審(知財高裁)の中間判決でも任天堂(株)に有利な判決が出たことが、任天堂のウエブサイト(ニュースリリース)に掲載されました。
「公道カートのレンタルサービスに伴う当社知的財産の利用行為に関する知財高裁判決(中間判決)について」(任天堂株式会社、2019年5月30日付け)
https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2019/190530.html
「マリオカート」ゲームで有名な任天堂(株)が、公道カートをレンタルする被告会社(株)Mariモビリティ開発(被告会社)を提訴した事件です。
最高裁ウエブサイトには、まだ判決文が公開されていません。
任天堂の上記ニュースリリースによると、
- 任天堂の「MARIOKART」という標章が著名であり、被告会社の「マリカー」「maricar」等の表示を使用することは不正競争行為に当たる、
- 任天堂の「マリオ」などのキャラクターが著名であるから、被告会社の「マリオ」等のコスチューム貸与が不正競争行為に当たる
と判断されたそうです。つまり著名キャラクターの名称を使う行為、そのコスチュームを第三者が貸与する行為が不正競争行為にあたるということです。
私はいつもこの公道カートを見るたびに、ゲームの中からキャラクターが飛び出してきて公道を走っているような印象を受けていました。
リアルな世界とパソコン上の世界を同一視させてしまうこのよう行為を取り締まれる不正競争防止法は、ありがたいです。
The interlocutory judgment in favor of Nintendo Co., Ltd. in the Mario Kart Case was also given by the appeals court (the Intellectual Property High Court), according to Nintendo’s news release on its website.
“The Intellectual Property High Court decision (interlocutory judgment) regarding the act of using Intellectual Property of the Company when renting go-karts to be driven on public roads” (May 30, 2019, Nintendo Co., Ltd.)
(https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2019/190530.html)
This is a case where Nintendo Co., Ltd., which is famous for the game Mario Kart, filed a lawsuit against Mari Mobility Development Inc. (the defendant company) for renting out go-karts to be driven on public roads.
The Supreme Court website has not yet published this decision.
According to Nintendo’s news release, it was judged that:
- Nintendo’s mark “MARIO KART” is famous, and the defendant company’s act of using the indications “Marikar” in katakana, “maricar” in English lettering, etc. constitutes an act of unfair competition; and
- Mario and other Nintendo characters are famous, and the defendant company’s act of renting costumes of Mario and other characters constitutes an act of unfair competition.
Namely, it was judged that a third party’s act of using names of famous characters and renting their costumes is considered an act of unfair competition.
These go-karts always give me the impression that the characters have jumped out of their games and are running around on public roads. The Unfair Competition Prevention Act can regulate such acts that make people regard the PC world and the real world as one, which makes it very significant.
奥田百子
東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)
著書
- もう知らないではすまされない著作権
- ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
- 特許翻訳のテクニック
- なるほど図解著作権法のしくみ
- 国際特許出願マニュアル
- なるほど図解商標法のしくみ
- なるほど図解特許法のしくみ
- こんなにおもしろい弁理士の仕事
- だれでも弁理士になれる本
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