第222回歌手の野口五郎さんの発明
弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子
歌手の野口五郎さんの発明が話題になっています。発明家で知られる野口五郎(本名:佐藤靖)さんは、これまで複数件の特許を取得されています。
その一つに、「チケット販売システムおよびプレゼントコンテンツ配信システム」(第6192178号)があります。
The inventions of singer Goro Noguchi (whose real name is Yasushi Sato) have attracted attention. He is known as an inventor who has obtained multiple patents.
Of these, I will explain an invention titled “a ticket selling system and giveaway content distribution system” (No. 6192178).
これが画期的な発明であり、音楽は見る、聴くだけでなく、体感するという発想に基づいています。単に音楽を携帯で聴くのとは違った体験ができるように、個々のユーザに応じたプレゼントコンテンツが配信されるという発明です。
This is an epoch-making invention based on a concept that music is not only seen and listened to, but also experienced. It aims to distribute giveaway content matched to individual users, so that they can have experiences distinct from simply listening to music from a mobile phone.
Of these, I will explain an invention titled “a ticket selling system and giveaway content distribution system” (No. 6192178).
コンテンツの種類としては、「完売案内コンテンツ」「リピータ御礼コンテンツ」「プレゼントコンテンツ」が明細書に挙がっています。「完売案内コンテンツ」とは、ユーザがチケットを申し込んだが完売していた場合には、お詫びと次のコンサート情報のメッセージを送るというコンテンツです。
Types of content including “sold out guidance content,” “content to thank repeaters,” and “content for giveaways” are listed in the specifications. The “sold out guidance content” which includes an apology and information about the next upcoming concert, is sent to users who applied for tickets that had sold out.
これはファンを非常に配慮したシステムです。リクエストに応じたプレゼントコンテンツは、ユーザの誕生日にはユーザの名前を入れたハッピーバースデーを歌ってくれるというコンテンツであり、ミュージシャンとファンの一対一の関係を構築できます。
This is a system that gives special consideration to fans. The giveaway content in response to requests are, for example, distributed to sing Happy Birthday on the user’s birthday, with the name of the user. This invention aims to build one-to-one relationships between a musician and their fans individually.
奥田百子
東京都生まれ、翻訳家、執筆家、弁理士、株式会社インターブックス顧問
大学卒業の翌年、弁理士登録
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)
著書
- もう知らないではすまされない著作権
- ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語
- 特許翻訳のテクニック
- なるほど図解著作権法のしくみ
- 国際特許出願マニュアル
- なるほど図解商標法のしくみ
- なるほど図解特許法のしくみ
- こんなにおもしろい弁理士の仕事
- だれでも弁理士になれる本
- 改正・米国特許法のポイント
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