- 2025.04.09
- スタッフブログ
【品質管理課ブログ】イギリスのお菓子作りコンテストを見て思うこと

インターブックスでは幅広い分野の翻訳を扱っており、その品質管理課で働く私も日々さまざまな文書を目にします。私は根っからの食いしん坊なので、特に食べ物に関する翻訳には心が弾みます。
今回のブログでは、そんな私が見ているテレビ番組をご紹介します。
ブリティッシュ ベイクオフ(The Great British Bake Off)は、イギリスのお菓子作りのコンテスト番組。日本でも複数の放送局や動画配信サービスで見ることができます。
著作権の都合上、お菓子をはじめとした番組の様子は公式サイトをご覧ください!
The Great British Bake Off: Homepage
番組の内容は?
会場はのどかな緑の中に建つ大きな白いテント。全国から選ばれたアマチュアの参加者(ベイカー)12人が毎週異なるテーマでお菓子作りの腕を競います。各回、下記3つのチャレンジで審査され、1人ずつ脱落していき、10週ののちに優勝者が決まります。
1. オリジナルチャレンジ(Signature Bake)
ベイカーたちが事前に練習を重ねたレシピを披露します。家族や友達に喜ばれるような自分らしい作品を作ります。
2. テクニカルチャレンジ(Technical Bake)
ベイカーたちは当日の会場で初めてレシピと材料を知ります。詳細を省いた簡単なレシピに従ってそれぞれが課題に取り組み、完成した作品は名前を伏せて審査されます。
3. マスターピースチャレンジ(Showstopper Bake)
事前に準備したレシピで華やかな大作に挑みます。段取り良く複数の工程をこなし、味も見た目もプロに劣らない作品に仕上げます。
なお、「ベイキング」はパンやケーキをオーブンで焼くことですが、甘いお菓子だけでなく食事系のものも含みます。また、参加者の人数等はシリーズやエピソードにより変動があります。
失敗続きのチャレンジ
さて、ここからは番組の見どころについて書いていきます。各チャレンジには制限時間があるので、ベイカーたちは時間内で作品を完成させなければなりません。そこでありがちな失敗は・・・スポンジが生焼け、パン生地の発酵が足りない、あるいは作り直して時間がなくなる。私もお菓子を作ることがありますが、料理と違って途中で調整するのが難しいため、出来上がるまで成功するか失敗するか分からないのがハラハラするところです。
協力したっていいじゃない
そんなハプニング続出の中でも、この番組では、周りのベイカーが協力してくれます。時間内にデコレーションが終わらなければ先に終わった人が手伝ってくれたり、崩れそうなケーキを審査員の席まで一緒に運んでくれたりします。毎回、成績の悪かった一人のベイカーが脱落していく仕組みなので、お互いにライバルのはずですが、仲間でもあるのですね。
個性あふれる参加者たち
お互いを支えあう参加者たちのバックグラウンドは、年齢、性別、職業もさまざまです。まだ若い学生もいれば、主婦、公務員、建築家、シニア世代の人などもいます。それぞれがどんな日常を送っていて、なぜお菓子作りが好きなのか、番組では自宅の映像も交えて紹介されます。一方会場では司会者がベイカーたちの間を回りながら話しかけ、それぞれの人柄が分かる楽しい会話が交わされます。それを見ていると、誰がどんな趣味を持つのも自由なのだと改めて思います。
想像力・発想力を働かせて
2つ目のテクニカルチャレンジでは、シンプルなレシピしか与えられないため、ベイカーたちは想像力を働かせなくてはなりません。例えば「チョコレートでデコレーションする」などの指示だけでは、それぞれバラバラな出来上がりになります。周りの人たちと違う見た目になってしまったベイカーの心中は、焦りでいっぱいかもしれませんが、見ているこちらは「そんな解釈もあったか!」と思わず感心してしまいます。
3つ目のマスターピースチャレンジでは、鮮やかな色使いのケーキや思い出の風景を模したデザインなども登場し、それぞれの豊かな発想に見ているこちらも楽しくなってきます。3段重ねのケーキに挑戦する人も多いのですが、たいていは斜めになってしまいます。それでも、無難な作品では評価されないため、カラメル、クリーム、フルーツなどを盛り込んで大作に仕上げます。
泣いて笑って、最後に心が温まる
世の中にはお菓子作りが上手な人は多く、おそらくこの番組の参加者より上手なアマチュアベイカーもたくさんいるでしょう。でもこの番組をついつい見てしまうのは、お菓子作りの楽しさだけではない何かが心をつかむのだと思います。挑戦する勇気、好きなことに思い切り取り組むすがすがしさ、仲間ができる嬉しさ。プレッシャーの中で負けずにがんばるベイカーたちに心動かされ、一緒に笑って、見終わったときにはなんだか心がほっと温まるような気がします。
最後に、翻訳について付け加えると、お菓子の商品名や料理のメニュー名は、なかなか取り組みがいのある分野だと思います。短い語数で正しく伝える必要があるからです。そんなことを考えながら日々業務に取り組み、週末には楽しくテレビ番組を見て元気をもらっています。
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品質管理課メンバー:エマ |
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