2024.07.29
翻訳外注ノウハウ

【初めての翻訳】検討すべき5つの方法とそれぞれのメリット・デメリット

【初めての翻訳】検討すべき5つの方法とそれぞれのメリット・デメリット

「外国語で契約を交わさなければならない」「ホームぺージを外国語にしなければならない」など翻訳への対応はある日突然訪れるものです。普段その必要性はおろか、存在さえも意識することもほとんどないと思いますが、翻訳という作業、実は世の中のあらゆるところで行われています。外国製品に付いている取扱説明書やダウンロードしたマニュアル、スマホのアプリ、駅構内や車内見かける外国語の案内などはすべて翻訳した結果です。

たとえると翻訳は乾電池のようなものです。充電式の電化製品が大半を占め、今やその存在を忘れがちな乾電池もやはりこの世のあらゆるところで使用されていますが、ある日突然電池切れで新しいものが必要になるところなど翻訳とよく似ています。乾電池と翻訳で異なるのは、乾電池ならどこで、どのメーカーのものを購入しても同じ性能が保証され、どれも電力供給という目的を果たしてくれることです。最寄りのコンビニで買ったものでも帰り道のキオスクで買ったものでも、どこのスーパーや家電量販店で買った乾電池でも、電化製品を稼働するという期待通りの結果に導いてくれます。

しかし翻訳は違います。どこに頼んでも、誰がやっても同じ翻訳が納品されるわけではありません。期待通りの成果に導いてくれるわけでもありません。なぜなら翻訳には一定の基準もしくは、スペックというものがないからです。基準やスペックがないからどうしても、品質の基準が曖昧になりがちなのです。そのような翻訳をある日突然必要になったからといって、その場しのぎで対応してしまうとあとで大きな問題に発展する可能性があります。先の乾電池にたとえると「爆発する可能性の高いものを買ってしまうことにもつながりかねない」ということです。本コラムでは、翻訳しなければならないときが突然訪れた人のために、そのさまざまな対応方法やそれぞれのメリット、デメリットについてご説明します。

1.自分で対応する

おそらく日本の組織で組織でもっとも多いのが、この「自分で翻訳してしまう」という対応です。社内に外国語を担当する人もしくは、日本語が達者な外国人または、海外営業部や貿易部といった部署があるようなところではこの傾向が特に強いものです。しかし自分で翻訳することには、次のようなメリットとデメリットがあるのです。

メリット
  • 外注コストが掛からない(自身のランニングコストを除く)
  • 外注する手間が掛からない
  • 社内用語や業界特有の言い回しの反映が容易である
  • 翻訳の背景や目的といった情報を共有せずに済む
  • 翻訳に必要な情報収集が簡単
デメリット
  • 翻訳に時間が掛かる
  • 主業務に支障をきたす
  • 対応できる量に限界がある
  • 最新の翻訳技術や業界のノウハウを活用できない
  • 翻訳の品質を担保する責任が伴なう

2.知人に頼む

「自分で対応したいができない」という人が最初に考えるのが「知人に頼む」という方法です。まずは社内で外国語が堪能そうな知人または、海外と頻繁にやりとりをしている部署の知人などを探してみる、といった行動をとる方は多いでしょう。しかしこの、知人に頼むことには次のようなメリットとデメリットがあるのです。

メリット
  • 翻訳コストが掛からない、もしくは謝礼程度で済む
  • 外注する手間が掛からない
  • 社内の人であれば、社内用語や業界特有の言い回しの反映や翻訳の背景や目的の共有が容易
  • 進行、修正など、翻訳に関するやりとりを気軽に行える
  • 自分の主業務に集中できる
デメリット
  • 依頼する相手を探す手間が掛かる
  • 翻訳に必要な情報共有が必要になる
  • 相手の都合により予定通り進まない可能性がある
  • 対応できる量に限界がある
  • 情報漏洩のリスクがある

3.翻訳者を雇う

「翻訳者を雇う」というと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、外資系のソフトウェア開発会社や薬品会社など、常に翻訳する必要がある組織には翻訳専門のスタッフが居るところが少なくありません。直接雇用の場合もあれば人材派遣の場合もありますが、都度翻訳を外注するよりはトータルで低コストもしくは、その他の経営判断に基づくものでしょう。しかしこの、翻訳者を雇うことには次のようなメリットとデメリットがあるのです。

メリット
  • 人件費(固定費)として翻訳コストを定額化できる
  • 外注する手間が掛からない
  • 定着化と育成により、社内用語や業界特有の言い回しの反映や翻訳の背景や目的の共有が容易
  • 進行、修正など、翻訳に関するやりとりを気軽に行える
  • 自分の主業務に集中できる
デメリット
  • 育成に時間が掛かり、その管理業務も発生する
  • 翻訳する必要があまりないときなど、人件費(固定費)が翻訳外注コストを上回る月が発生する可能性がある
  • 人数によっては対応できる量に限界がある
  • 翻訳者を直接雇用する場合は、翻訳の最新技術やノウハウを活用できない
  • パワハラ、セクハラ、モラハラなどの雇用リスクが伴う

4.翻訳者に外注する

従来は業界団体に問い合わせたり伝手をたどる必要のあった翻訳者探しも、クラウドソーシングサービスが充実している現代ではさほど難しいことではなくなりました。これにはインターネットの普及が一役買っていることは言うまでもありませんが、「翻訳者に外注する」ことには、次のようなメリットとデメリットがあるのです。

メリット
  • 翻訳コストを抑えることができる(翻訳会社に外注するよりは低額で済む)
  • 継続的に外注することにより、翻訳品質の向上や安定化が見込める
  • 外注する相手にもよるが、翻訳の最新技術やノウハウを活用できる
  • 雇用リスクがない
  • 自分の主業務に集中できる
デメリット
  • 信頼できる翻訳者を探す手間が掛かる
  • 対応できる量に限界がある
  • 翻訳者の実力によっては、翻訳の品質に満足できない可能性がある
  • 失敗した場合はまた初めから翻訳者を探す必要がある
  • 情報漏洩のリスクがある

5.翻訳会社に外注する

翻訳会社という組織が存在することさえも知らなかった人も居られると思いますが、手間暇を考えると翻訳者を雇ったり翻訳者に直接外注するよりも思い付き易いのは、「翻訳会社に外注する」ことかもしれません。しかしこの翻訳会社に外注することには、次のようなメリットとデメリットがあるのです。

メリット
  • 翻訳に付随する作業にもワンストップで対応してもらえる
  • 品質、コスト、納期などの要望に柔軟に対応してもらえる
  • 大量、短納期でも対応してもらえる
  • 継続的に外注することにより、翻訳品質の向上や安定化が見込める
  • 翻訳の最新技術やノウハウを活用できる
  • 翻訳の品質が担保される
  • 情報漏洩のリスクが低い
  • 自分の主業務に集中できる
デメリット
  • 外注コストが掛かる(翻訳者に直接依頼するよりも高くつく)
  • 信頼できる翻訳会社を探す手間が掛かる
  • 翻訳に必要な情報を、翻訳会社に共有する手間が掛かる
  • 問い合わせ、見積もり、発注など、形式的なやりとりが必要になる
  • 翻訳会社のレベルによっては、翻訳の品質に満足できない可能性がある

最後に

今回は代表的な五択をご紹介しましたが、「一部を自分で翻訳して、難しいところだけ自分以外に翻訳を頼む」といった「合わせ技」も有効でしょう。また、翻訳会社に外注するといっても現代では翻訳方法も多種多様なので、「一部を自動翻訳(機械翻訳)して残りを翻訳者が翻訳する」といった方法をとることもできます。

いずれにせよ大別すると「自分で翻訳する」か「自分以外に翻訳を頼む」かがまず最初の分かれ道で、自分以外を選択した際はさらにその先多くの選択肢があるわけです。これらのなかから最適なものを選ぶことは簡単ではありませんが、本コラムでご説明したそれぞれのメリットとデメリットを念頭に、最良と思えるものをお選びいただければと思います。

まとめ

以上、「【初めての翻訳】検討すべき5つの方法とそれぞれのメリット・デメリット」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界85か国語で行います。

高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

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