2024.07.22
翻訳外注ノウハウ

【取引するとあぶない翻訳会社】5つの特徴

【取引するとあぶない翻訳会社】5つの特徴

定期的に翻訳ニーズが発生し、長い付き合いで信頼できる翻訳外注先がある場合は良いですが、そうでない場合や初めて翻訳を外注する際はその取引先選びに悩むものです。翻訳は普段意識することもなく、馴染みのないものであるため、いざその時が訪れると急いでいることもあり、よくわからないまま流れに身を任せてしまうこともあるのではないでしょうか。本コラムでは、翻訳しなければならないときが突然訪れた人が翻訳依頼で失敗しないために、取引してはならない翻訳会社の特徴をご説明します。

1.対応に問題がある

翻訳会社にかぎりませんが、「対応に問題がある」場合はあとでさまざまなトラブルが生じる可能性があるので、早いうちに取引を止めることをお勧めします。対応とはお客様に対する姿勢のことですが、それによってお客様に対する外注先のスタンスや考え方が露呈するものです。

尚、問題のある対応には次のようなものがありますが、いずれも「顧客サービス意識の欠如」に起因するものです。対応した担当者個人の問題であることもあるかもしれませんが、お客様窓口として会社を代表する立場である担当者に問題があるということは、その個人を雇用している組織や経営者にも問題があるということです。

  • 電話をとるのが遅い、掛け直してこない
  • メールへの返信が遅い、返信が来ない
  • 仕事の進め方が雑である、いい加減である
  • 聞いたことに答えない、回答内容のポイントがずれている
  • 指摘しても悪びれず、言い訳を繰り返す
  • 自分勝手な解釈を元に仕事を進める

まともな会社であれば従業員にはきちんと教育を施し育成するでしょうし、そもそもそのように問題のある人を雇用しないかまたは、雇用後に問題が発覚した場合も担当から外すもしくは、再教育を施すといった対策を講じるはずです。なぜならそのような担当者を放置しておくことは組織全体にとっての大きな不利益につながるからです。

つまり、問題であると感じる対応に接した時点で、担当者を含むその組織にはなんらかの問題があることが判明したということですので、そこから先は対応改善に時間を費やすよりも直ちに取引を止めるかもしくは、それができない場合は穏やかに、できれば相手先がそれに気付かぬように取引を細め、やがて中止する方向で動いていったほうが良いでしょう。

2.上から目線である

かつて翻訳業界は殿様商売と揶揄される時代がありました。「値下げしない」「高飛車(傲慢)」「CS(顧客満足)がなっていない」といったお叱りを受けることもありましたが、それらはおそらく翻訳の需要と供給の関係に基づいた結果であったと思われます。

つまり、高度経済成長やその後も続いた日本企業の積極的な海外進出や海外取引によって増え続ける翻訳需要に対し、供給側の翻訳会社の数やキャパがまだ十分でなかったことによる悪影響であったのではないか、ということです。そしてそのような需要の急増に対して、職人気質の強い翻訳者を出自とする翻訳会社が多かったことから、供給側としては最善を尽くしているにもかかわらず不本意ながらそのような評価になってしまった嫌いはあります。

しかしながら今では翻訳の技術力に加え、サービス力の強化を図る翻訳会社が増えたこと、また、従来のプロ翻訳者による翻訳に加え自動翻訳(機械翻訳)やポストエディット(MTPE、Machine Translation Post-Editing)といったさまざまな翻訳方法が生まれたり、IT業界を筆頭に異業種からの参入が相次いだことで、翻訳を生業とする組織間の競争が激しくなった結果、顧客対応力は全体的に向上しているように思います。

ただし翻訳が一般の人にとってはよくわからないもの、よくわからない世界であることが今でもあまり変わりないのはやはり、「今、目の前にある文書が翻訳されたものであるかどうか」などと翻訳について考える機会や習慣がないからでしょう。そしてそのような、翻訳に対する理解が十分でない人に、相手がお客様であるにもかかわらず残念な対応をする担当者や組織が今でも一定数居るようです。

なかには相手が理解できるかどうかも考えず業界用語や専門用語を使って話をしたり、質問に対しても相手の無知や理解不足に矛先を向けた挙句、「あなたは翻訳や翻訳業界というものへの理解が足りない」だの、「プロであるこちらの言うことに黙って従っておけばよい」という、翻訳会社の従業員以前に、お客様から対価をいただいて成り立っている営利目的の民間企業で働く者さらに、社会人としてもいかがなものかと思わざるを得ないような残念な対応をする者も居るようですが、同じ業界の人間として嘆かわしくまた、このような対応する人間が翻訳業界全体を貶めていることが残念でなりません。

そのような対応をされて困っているお客様が当社にも時折かけ込まれますが、己を翻訳の専門家云々と豪語し、相手がお客様であるという認識やCS(顧客満足)といった意識が欠如している、上から目線の担当者や組織に接した時点で取引を中止することを考えたほうが良いでしょう。

3.批判する・否定する

  • A社は翻訳料金が安いだけで、翻訳の品質は悪い
  • B社の顧客対応はなっていない
  • C社は操業年数が浅いので、実績と経験が十分でない

といった同業他社批判や否定による相対論で、自社への発注を促す担当者や組織との取引も危険です。本当に優秀な人や組織は外ではなく内を常に見ているものです。同業他社に目を向けるのではなく、自社、自組織に不具合はないか、改善の余地はないか、といった自己研鑽を常に行っているものです。昨日よりも今日、今日よりも明日、もっと良いサービスをお客様に提供するためにといつも考え、鏡に映った自分、自社と対話しているものです。

しかしそうではない残念な担当者や組織は、自分、自社以外を引き合いに出して話を進めがちです。最近では「プロ翻訳者による翻訳 VS 自動翻訳(機械翻訳)、またはポストエディット」といった構図での舌戦を見かけることが多いですが、実のある話であることはほとんどありません。たしかに、相対論はお客様にとって理解し易いものなので話す必要がないとは思いませんが、話す場合も努めて客観的な立場で、あくまでも自分、自社の見解であると前置きした上で、お客様にとっての利益と不利益それぞれをきちんと説明し、公正な判断を促すのがあるべき姿です。

他者、他社の足を引っ張っても自分、自社の実力が上がるわけではありません。その場かぎりの飾りつけによる化けの皮もすぐに剥がれます。なによりもそこには、お客様にとって最良の選択肢は何なのかというCS(顧客満足)の意識が決定的に欠如しています。取引に於いて問題が生じた際の最大の被害者はお客様ですので、同業他社や他の翻訳方法を批判する、否定する担当者や組織に接した時点で、取引を中止することを考えたほうが良いでしょう。

4.デメリットやウィークポイントを隠す

  • 品質を重視すれば、料金はどうしても高くなる
  • 納期を短くすると、品質は劣化する
  • 機械翻訳(自動翻訳)は大量短納期、低コストを実現できるが、翻訳の品質低下をある程度許容する必要がある
  • 翻訳会社に依頼するとワンストップサービスを享受できるが、翻訳料金は高くなる

翻訳にはこのようにさまざまメリットとデメリットがあります。正確な基準を用いて他社と比較した上で自社の優位性を説明することに異論はありませんが、お客様の公正な判断つまり、お客様にとって最良の選択を促すのであれば、そこに必ず存在する自社サービスのデメリットについても隠すことなくお伝えする必要があることは言うまでもありません。

しかしながら翻訳に対するお客様の理解不足に付け込み、必要な情報をきちんと提供せず自社に誘導する担当者や組織も残念ながら存在するようですので注意が必要です。リスティング広告などでは業界最安値、最高品質といった二律背反する要素が並んだものを目にすることがありますが、どのようにすればそれが実現できるのか同じ業界に居る者として聞いてみたいほどです。

美味いが高い、そこそこの味だが安い、美味いとは言えないがとにかく早い、が世の常です。産業の分野を問わず、皆それぞれどこかの部分に注力し、それによって同業他社と差別化を試みています。翻訳サービスや翻訳会社も単純な優劣ではなく、翻訳する目的に応じた使い分けが必要なのです。

そして正しく使い分けるには、一定の基準で比較した際の優劣についてはすべて堂々と開示した上で、お客様に検討いただくべきなのです。ゆえに自社が提供する翻訳サービスのデメリットやウィークポイントを隠す担当者や組織に遭遇たら、取引しないほうが良いでしょう。

5.逃げる・音信不通になる

翻訳は、納品後もその品質に関してお客様とのやりとりが必要となるものです。翻訳は文章であり、それを評価する人の嗜好にも大きく左右されるため、メリットやデメリットを十分に説明した上で受託したものでも、納品後に何らかのご意見や修正対応といったご要望をいただくことが多いのです。しかしそれは一定以上の品質のものをさらにブラッシュアップする、という建設的なやりとりであり、翻訳会社もお客様も納品後に必要なこのフィードバック対応や検収のための修正対応と呼ばれる作業は、初めから織り込んで取引をしています。

一方、自社にとって不利益な内容をきちんと説明せずに受託すると、納品した翻訳の品質に対する理解がお客様とのあいだで乖離するため大きな問題に発展してしまいます。お客様の利益のためにはそうすることが当たり前なのですが、要は誠実な対応をしているかどうかなのです。ここまで紹介してきたような不誠実な担当者や組織は残念ながらそのような意識が薄いものです。

納品された翻訳内容を確認して話が違うと申し入れても、参考資料など事前情報の提供が不十分だったから、あとから言われても、などと言って責任転嫁したり、それがメールのやりとりなどエビデンスに基づくお客様の正当な主張であっても、自社にとって都合の悪いことは無視し続けるケースもあるようです。

  • 何度電話しても、その都度担当者が不在だと言われる
  • 伝言を残しても折り返しの連絡が来ない
  • メールへの返信も来ない
  • 居留守を使う
  • 電話に出ない

このように信じられない対応をするケースもあると聞きますが、初めからできないことをできると言って自社へ誘導つまり、受託しているわけですからそうなるのも致し方ないと思います。もちろんお客様にとってはそれで済む話ではないので、最悪の場合法的措置を講じる必要が生じることもあると思いますが、これほど非生産的な作業はありません。とにかく、その対応に不信感を抱くような担当者や組織と取引をすると、このように逃げる、音信不通になる、といった想定外の事態に遭遇する可能性もあるため、初めから取引しないほうが良いでしょう。

最後に

かなり極端な内容ですが、いずれも当社のお客様からお聞きした実例です。ただし、当社が知る翻訳会社のほとんどは自己研鑽を怠らない、誠実な対応をする組織です。大きな組織であればもちろん一部にはCS(顧客満足)が不十分な担当者が居るかもしれませんが、上述のような不誠実な対応をする翻訳会社に遭遇することは滅多にないと思いますので、安心して翻訳を依頼していただければと思います。

ただし、このような担当者や組織が存在することは事実ですので、その対応に何かしらの違和感をおぼえた際は本記事を思い出し、取引を見直してみることをお勧めします。また、この内容は翻訳会社にかぎらず、あらゆる依頼先にも当てはめて考えることができると思います。

まとめ

以上、「【取引するとあぶない翻訳会社】5つの特徴」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界85か国語で行います。

高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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