2024.11.11
翻訳外注ノウハウ

【翻訳の品質】正しく確認する方法

【翻訳の品質】正しく確認する方法

無知を恥じる必要はありませんが、翻訳に関しては別です。なぜならコンテンツの翻訳品質についてよく知っておかないと、あなたの製品やサービスブランドを大きく傷付けることになりかねないからです。特にあなたの職場の誰も話すことができない外国語の場合、無知のまま放置してしまう傾向が強いものです。では、上手く翻訳できているかどうかをどうやって判断するのでしょうか。

翻訳には「もし~だったら」が付き物です。「エラーや誤字があったらどうしよう?」「翻訳がブランドの価値を正しく伝えていなかったら?」「もし不快なミスが翻訳にあったら?」。不安を抱えたまま翻訳したコンテンツを放置しておくと、ブランドの評判とコンテンツ戦略が危険にさらされる可能性があります。翻訳の品質を確保するためには、翻訳の専門家によるレビュー(チェック)を受ける必要があるのです。

しかし、翻訳レビューは失敗することが多いことで知られています。それは、翻訳コンテンツのレビューが正しい方法で行われないことが多いからです。その結果レビューだけを急がされ、コンテンツ制作を担当するチームのストレスが高まり、無意味な修正が延々と繰り返されることになります。

翻訳したコンテンツのレビューは、ローカライゼーション戦略の一環としてシームレスに行われるべきです。そこで、コンテンツの翻訳品質を正しく確認する方法をご紹介します。この方法を活用することで、よくある頭痛の種を抱えることなく翻訳の品質を確保することができます。
※本コラムはLilt社のコラムを元にお届けしています

翻訳を成功させるための初期ステップ

まず、翻訳者や校閲者に力を発揮してもらうためにも、以下のような対策をとって落とし穴を避けることです。

社内の人間に翻訳や校閲を依頼しない

翻訳に必要な言語能力を持つ同僚がいる場合、彼らに翻訳や校閲を依頼すれば予算を抑えられ、時間も節約できると思っているのではありませんか?それは絶対に避けてください。その同僚がプロの翻訳者でもないかぎり、翻訳や校閲のノウハウを持ち合わせていなくて当たり前です。そのような人に依頼すると、翻訳品質の改善につながらず、余計なチェックを細かく行う必要が生じ、プロセスを遅らせる可能性すらあるのです。

また、プロの翻訳者でないレビュアー(翻訳品質をチェックをする人)は、「主観的な判断」と「正確さや明瞭さを示す重要な指標」を切り分ける方法を理解していない可能性があります。このことは最終的に、翻訳者とレビュアーの間で非生産的なやりとりが発生する原因になります(つまりお互いの非を指摘し続けて作業が前に進まない、ということです)。

納期を急がせない

本当に明日までに翻訳が必要なのでしょうか?翻訳の品質と時間は比例するのです。翻訳に掛ける時間を削ってしまうと、言葉の選択を慎重に行うことができなくなります。翻訳者に十分な時間を与えることで、より満足のいく翻訳を得ることができるのです。

スタイルガイドと用語集を事前に作成する

あらゆる製品、サービスには、それ専用のライティングスタイルガイド(書き方についての統一した言葉遣いを規定する手引き)と、生きた用語集(語彙を音順などに排列したリスト)を用意しておくべきであり、ない場合は時間をかけて作成しましょう。何を以てブランドボイス(そのブランドらしい語り口調や文体のこと、統一したブランドイメージ)とするのか、明確なガイドラインがないと、翻訳者が的外れな表現をしてしまう可能性があります。また、用語集は異なる翻訳や言語間で語彙の一貫性を保つためにも有用です。

翻訳者とコンテンツ制作チームの、早い段階からのコラボを促進する

翻訳者はひとり隔離された場所で仕事をするべきではありません。翻訳者とコンテンツ制作チームの間にオープンなコミュニケーションがあることを確認してください。タイムリーなフィードバックを得ながら共同で改善を行うことで、翻訳が正しい方向へ確実に向かうことになります。

良い翻訳とは

レビュアーは、以下のような「高品質な翻訳の主要指標」をチェックする必要があります。

  • 文法や句読点が正しく、誤字・脱字がないこと
  • メッセージの意図を汲み取った正確な翻訳であること
  • 流暢で自然に読める文章であること(単語の選択、文の構造など)
  • トーン、スタイル、一貫性などが、ブランドボイス(ブランドイメージ)に合致していること
  • メッセージの文脈に合っていること(Web、レポート、マーケティングパンフレットなどは特に)
  • 地域の言語・文化的規範に適合していること
  • 正確な業界用語が使用されていること
  • 適切な書式設定がなされていること

項目がかなり多いと思われるかもしれませんが、プロの翻訳者は翻訳の品質を担保する上でこれらが重要であることを知っています。このリストを翻訳者に送り、これら指標を念頭に置いているか確認しても良いでしょう。

レビュアーが敢えて放っておくべきこと

翻訳レビューに於いてはしばしば、「敢えてすべきでないこと」にフォーカスしてしまうことがあります。文章が主観的であるように、翻訳も主観的であるものです。だからレビュアーは「好みの問題」にとらわれてはなりません。具体的には次のようなことです。

  • 言葉の選択
    • 主観的な言葉の選択を「修正」することは危険です。業界事情やわかり易くするために言葉を変える必要がある場合を除き、レビュアーは「好みの問題」に口を挟まないようにしましょう
  • 文体
    • 校閲者は、文体を変えるために文章全体を書き換えるべきではありません。ブランドボイスに特定のトーンやスタイルが必要な場合は、スタイルガイドラインで翻訳者に事前に知らせておくべきです。校閲者が、自分の考えを元に「より良く聞こえるように」リライトすることは避けるべきなのです。

レビュアーの主観的な編集が目立つと、プロセスが遅くなり、ローカライゼーションチームをイライラさせる可能性があります。最終的にはレビュアーによる主観的な提案がいくつかあっても構いませんが、主な焦点は上記の主要な指標に留めるべきです。プロ翻訳者によるレビューは、社内の人間が行うレビューとは全く異なるものであることを忘れないでください。あなたのチームが社内で翻訳フィードバック(チェック結果の共有)を行う際には、建設的なコラボのためにも本コラムのヒントに必ず従ってください。

ローカリゼーション戦略のレベルアップ

「翻訳されたコンテンツのレビュー(チェック)」はなぜか企業のローカライズ戦略に含まれていないことが多いのですが、本来は含まれているべきものです。翻訳しっぱなし、翻訳しただけ、でなく翻訳されたコンテンツは必ずレビューされるべきです。専門の翻訳レビュー体制を確立し、翻訳者やレビュアーが十分な仕事をするための時間を確保しましょう。ローカライゼーション戦略は、ブランドの拡大を成功させるためのロードマップ(工程表)であることを理解しましょう。

まとめ

以上、「【翻訳の品質】正しく確認する方法」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界85か国語で行います。

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