NEW
2025.01.06
翻訳外注ノウハウ

【翻訳の費用がかさむ】のはなぜのか?

【翻訳の費用がかさむ】のはなぜのか?

翻訳会社に翻訳を外注する際、「同じ翻訳サービスであるにもかかわらずなぜ料金に差があるのか?」、理解に苦しむ人も多いと思います。本コラムでは、翻訳サービスの価格体系を構成する主要な要素であり、そのすべてが最終的なコストに影響を及ぼす可能性について説明します。これらの点を十分に理解することで、あなたのニーズに最も適した翻訳会社を選ぶことができます。
※本コラムはApex Translations, Inc.社のコラムを元にお届けしています。

文書に含まれる文字数(または単語数)

文字数や単語数は翻訳料金を決定する主な要素です。ページ数ではなく文字数や単語数を基準に請求されることが多いものです。ページには画像や図表が含まれている場合や、文章がページの途中で途切れている場合もありますが、このような場合も文字数や単語数であれば正確な翻訳量を把握することができます

レイアウト作業の必要性

多くの文書には写真やグラフ、表などが含まれていますが、翻訳者の仕事のひとつにこれらを適切な場所に配置しながら、文書を完全に理解できるように忠実に翻訳することがあります。通常より多くのレイアウトを必要とする文書(たとえば翻訳者や翻訳会社のDTP部門が文書の体裁を整えるのにかなりの時間を要する場合)には、文字数・単語数単位の翻訳料金に加え、レイアウト料金が加算されることがあります。

翻訳する言語や翻訳者の空き状況

言語によっては、(他の言語と比べて)翻訳者を見つけるのが容易なものもありますが、他にも次のように多くの要因があります。

翻訳会社の所在地

たとえば米国の翻訳会社ではスペイン語から英語への翻訳者をたくさん確保することは容易です。しかしフィンランド語からラトビア語の翻訳者を見つけるのは難しいかもしれません。リガ(ラトビアの首都)やヘルシンキ(フィンランドの首都)にある翻訳会社なら問題ないでしょうが…

多くのフリーランサーが複数の国の翻訳会社と契約しているにもかかわらず、言語ペアの地理的なクラスターは存続しています。ある言語ペアの翻訳者が翻訳会社で見付かりにくい場合、その翻訳者の翻訳料はその地域で一般的な言語ペアの翻訳料より高くなる可能性があります。また、他の国と比べて物価の高い国の翻訳会社は、フリーランス翻訳者を確保するためにより多くの翻訳料金を支払う必要があることから、翻訳料金も自ずと高くなることがあります。

では、物価の安い国にある翻訳会社に依頼した方が費用対効果が高いのでしょうか?残念ながら、そう単純ではありません。長い目で見れば、ターゲット言語(翻訳後の言語)のネイティブ翻訳者だけを使うことを保証している翻訳会社を選ぶことが最も費用対効果が高く、流暢で自然な翻訳を実現することができ、あとになって翻訳のやり直しをする必要もありません

言語間の社会文化的関係

上記の地理的関係に加え、各国は他の国との間に独自の社会文化的な関係を持っており、これが翻訳者の稼働率に影響を与える可能性があります。たとえば冷戦の緊張が緩和した1990年代以降、アメリカやイギリスのロシア語学習への関心は低下し、多くの教育機関でロシア語学科の縮小や完全閉鎖が行われました。その結果、30年前に比べてロシア語を翻訳できる英語のネイティブ翻訳者を見つけることが難しくなっています。一方、ロシアには欧米の商品や娯楽が流入しているため、最近では英語を翻訳できるロシア人のネイティブ翻訳者を探すことのほうがはるかに容易になっています。

では、このような場合はターゲット言語(翻訳後の言語)ではなくソース言語(翻訳前の言語)を母国語とする翻訳者に依頼した方が安上がりなのでしょうか?残念ながらそうではありません。多くの翻訳会社では、どの翻訳者もある言語ペアを両方向に翻訳できると謳っていますが(例:英語からロシア語、ロシア語から英語など)、ほとんどの場合これは事実ではありません。

翻訳者が完全なバイリンガルとして育ち、両方の言語で高等教育を受けたのでない限り、適切な文体、用法、文法を用いて外国語に翻訳できる可能性は極めて低いのです。その結果、満足のいく翻訳結果が得られず、再度ネイティブ翻訳者のいる翻訳会社を探さなければならないこともあるのです。

その言語に堪能な人が世界に何人いるのか

フランス語に堪能な翻訳者を探すのは比較的簡単な作業です。なにしろ世界には7500万人以上の人々が、さまざまな国でフランス語を母語としているのですから。しかしタンザニアやソマリアで50万人弱が話す、ジグラ語の翻訳者を探すのはかなり大変なことです。

希少な言語の翻訳が高くなるのは、需要と供給の問題です。希少な言語を扱う翻訳者は、そのサービスを提供できる数少ない人材であることを確信した上で、プレミアム価格を設定することができるのです。

翻訳会社?フリーランス翻訳者?それとも社内翻訳者?

翻訳会社は、言語スペシャリスト(翻訳者)の確保についてはひとつまたは、二つ以上のビジネスモデルを組み合わせてお客様のニーズに応えています。フリーランス翻訳者を使ったり、正社員として翻訳者を確保したり、他の翻訳会社に委託したり、ということです。当然ながら翻訳に関わる人や会社が多ければ多いほど最終的な翻訳料金は高くなるので、不明瞭な理由で高い見積もりを出してきた翻訳会社には、その理由を担当者に確認したほうがいいでしょう。

翻訳会社が他の翻訳会社を下請けとして利用して翻訳を行う場合、納品された翻訳の品質管理をしない場合があり、品質問題が生じることがあります。希少な言語の翻訳に対応できるフリーランス翻訳者や社内翻訳者を確保できる翻訳会社を見つけることが困難な場合があるため、他の翻訳会社を下請けとして利用することが避けられない場合があるのです。

自社のリソースが不足したときでもお客様の要求に応えるために、同業他社とのコネクションを構築することはどの業界でもよくあることです。しかし対応できる翻訳者の多い、比較的容易な言語ペアの翻訳外注先を探す場合、最初に翻訳会社を探す手間だけは掛かりますが、それが最終的な翻訳のコストと品質につながり、十分な見返りを得ることができるのです。

追加・付属サービス

優れた翻訳会社は、翻訳者から受け取った翻訳をそのままお客様に納品することはありません。翻訳会社の中にはISO認証を取得しているところもあり、そこではお客様に翻訳を納品する前にいくつかの工程を通し、最高の翻訳品質であることを確認する必要がある場合もありますが、これらの工程には通常、次のような内容が含まれます。

校閲

校閲は、翻訳を行った翻訳者同様、対象言語ペアに堪能な別の翻訳者が行います。この校閲・校正者は、原文(翻訳前の文章)と訳文(翻訳後の文章)を比較し、誤訳や不適切な文体、文法の間違いなどがないかをチェックします。

校正/レビュー

この工程は校閲とはまた別の翻訳者が担当し、文法、書式、句読点、構文などが適切かどうか、また文書の完成度やお客様からの特別な要求が満たされているかどうかを確認します

プロジェクトマネージャーによる最終レビュー

前述の工程を経て完成した翻訳が納品可能な状態にあることおよび、お客様が期待するすべての成果物であることを確認します。

デスクトップ・パブリッシング(DTP)/レイアウト作業

図表や写真など画像が含まれている場合や、テキストの書式が特に複雑な場合、翻訳会社では専門スタッフを用い、できるだけ元の文書に近いかたちに体裁を整えることがあります。

その他諸経費

他の企業同様、翻訳会社では

  • プロジェクトの開始から終了までを管理監督するプロジェクトマネージャーの仕事
  • セールスマネージャーや翻訳者のリクルーターなどのサービス
  • 言語専門家のトレーニング
  • 品質重視の社内手続きの改善
  • ソフトウェアのライセンス料
  • マーケティング費用
  • 各種建物の維持費や光熱費

など、ビジネスの運営に関わる手数料や経費を翻訳料金に上乗せして請求しています。もし翻訳会社が他の会社よりも高い料金を提示してきた場合は、料金体系について説明を求めるのがよいでしょう。サービスレベルの高い翻訳会社であれば、その理由を丁寧に説明してくれるはずであり、そのようなサービスを提供している翻訳会社を選ぶことで、低品質の翻訳に対処する必要がなくなり、長期的に見てコスト削減につながるかもしれません。

まとめ

以上、「【翻訳の費用がかさむ】のはなぜのか?」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界85か国語で行います。

高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

外国語対応でお困りですか? どうぞお気軽にお問い合わせください。

無料ご相談・お問い合わせフォーム

関連記事