- 2024.12.16
- 翻訳外注ノウハウ
ローカライゼーションがもたらす【配送・物流への影響】
ローカライゼーション(局在化、局地化、現地化)というと、「ターゲットとする地域で売れるように製品を調整すること」だと思われがちです。しかし、その製品を出荷し、製造するプロセスについてはどうでしょうか。ローカライゼーションは、顧客と接するプロセスでも社内のビジネスプロセスでも重要です。
実際、「輸送や物流の未来は、ローカライゼーションによって効率化を図り、新しい市場と融合していくことに懸かっている」と言っても過言ではないかもしれません。ここではローカライゼーションがこの業界にもたらす役割と、あなたの会社にローカライゼーション戦略が早急に必要な理由を説明します。
※本コラムはLilt社のコラムを元にお届けしています
ローカライゼーション vs ローカライゼーション
ローカライゼーションとは、製品やサービスを対象地域の言語、文化、技術的な慣習に従って変換するプロセスを指します。それには翻訳が大きく関わりますが、「人気のある決済方法を利用できるようにする」といったグローバルな顧客体験の課題にも取り組むことも含まれます。そしてそれは、出荷や物流で使われるローカライゼーションという言葉とは区別されます。
業界全体では、ローカライゼーションは「組立ラインやそれ以降の製品の追跡」を表わす言葉として使われていますが、この意味でのローカライズは、製品がどこにあるのかを常に把握するための在庫管理手法のことなのです。今回は、ローカリゼーションの最初の定義、つまり「翻訳などを使って製品やプロセスを現地向けにパーソナライズする必要性」について話します。
ローカライゼーションによる配送と物流の向上
出荷と物流は、強固なローカライゼーションを導入することで利益を得ることができます。なぜならこの業界は、信頼性が高く、効率的で、現地市場とうまく統合されたプロセスを持つことに依存しているからです。ローカライゼーションは、出荷と物流を支援するものなのです。
新しい市場・領域への進出
物流企業が新しい地域へ進出する場合、サービスのローカライズが必要です。これには顧客向けのホームぺージだけでなく、新しい地域とプロセスをどのように統合するかということも含まれます。グローバル規模ですべてのパートナーシップをシームレスにするために、サプライチェーン、在庫管理、ベンダー統合の各ツールは特に、すべてローカライズされたバージョンが必要でしょう。
信頼性の高い現地サービスとの統合
配送ビジネスを拡大する際には、地域の荷主、郵便システム、宅配便など、地域の配送オプションと統合する必要があります。これらの統合は、お客様が問題なく、また遅滞なく、地域の規範に従って商品を受け取ることを保証するための鍵です。荷主企業間の提携では、双方の社員が簡単に使える多言語システムが必要になることがよくあります。ローカライゼーションは、上記のすべてに関わるものであり、長い目で見れば大きな違いとなり得ます。
シームレスなクロスボーダーコミュニケーション
新しい土地で成功するためには、国境を越えたコミュニケーションも必要です。ベンダーとのコミュニケーションはシームレスに、顧客とのコミュニケーションは日付形式、通貨、パッケージサイズ、住所形式、配送方法など、ローカライズされたものが必要でしょう。現地の慣例で手探りするのではなく、まずこれらの重要な物流分野をローカライズして準備することができます。これにより、倉庫の搬入口からお客様の玄関先まで、すべての人が同期していることを確認できます。
サプライチェーンマネジメントツールの国際化
ローカライゼーションにより、サプライチェーン・マネジメント(複数の企業間で統合的な物流システムを構築し、経営の成果を高めるためのマネジメント手法)を国際化し、従業員が容易に注文に応じたり、配送したりすることができるようになります。具体的には、従業員向けのプラットフォーム、マニュアル、トレーニングを最適化することで、注文をより適切に管理し、配送することができるようにするのです。
そうしてサプライチェーンの重要な情報を、異なる場所や言語の工場や社内部署で共有することができるようになるのです。医療など他のグローバル産業と同様、重要な情報は言語に関係なくAからBへ伝える必要があるため、多言語対応のサプライチェーンプラットフォームは、社内の従業員が効率的に処理を行うための第一歩となります。
現地の顧客体験を強化
ローカライゼーションは、カスタマーサービスを強化する上でも有効です。現地の顧客とやり取りをする場合、支払いや配送の方法、トラッキングやカスタマーサービス用のEメールなどをローカライズすることで、顧客の期待を上回るサービスを提供することができます。これらのコミュニケーションを現地の言語で行うことで顧客に好印象を与えることができ、総合的に優れたサービスを提供することでそのロイヤリティ(あなたの製品やサービスに対する忠誠心)を高めることができます。
最後に
最終的には、ローカライゼーションはすべての企業の手法のひとつとして含まれるべきであり、出荷と物流も同様です。ローカライゼーションによって、地域統合、国境を越えたコミュニケーション、多言語サプライチェーンプラットフォーム、優れた顧客サービスなどを実現することができます。
ローカライゼーションの成功は、ターゲットとなる地域の多様な言語、文化、技術的な慣習を理解することにかかっていることを覚えておいてください。ローカライゼーションプロセスを開始する前に、ロケール(国や地域の文化によって異なる言語や単位、表記などの総称)を十分に把握し、専門家の支援を得て最大の成功を収めましょう。
まとめ
以上、「ローカライゼーションがもたらす【配送・物流への影響】」でしたがいかがでしたでしょうか。
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