2025.04.23更新
翻訳外注ノウハウ

ブランド価値を守るために―ローカライゼーションで避けるべき9つの翻訳ミス

【ローカライゼーションで避けるべき】9つの翻訳エラー

グローバルに展開する企業にとって、翻訳は単なる言語変換ではなく、ブランドを伝える重要なコミュニケーション手段です。しかし、翻訳の失敗はSNSで笑いのネタになるどころか、企業の信頼を損ね、最悪の場合には大きな経済的損失につながるリスクも孕んでいます。

有名な例として、HSBC銀行のスローガン「Assume Nothing(思い込みを捨てよう)」が、ある国では「Do Nothing(何もしない)」と誤訳され、ブランド再構築に1000万ドルもの費用がかかったケースがあります。

本稿では、企業がグローバル展開において絶対に避けたい「9つの翻訳ミス」について、具体的な失敗例を交えながらご紹介します。

1. 直訳に頼りすぎる

直訳は文法的に正しくても、意味やニュアンスが通じず、消費者に混乱や違和感を与えることがあります。たとえば「Pepsi brings you back to life(元気を取り戻す)」が中国語で「墓から先祖を蘇らせる」と訳されたケースや、「Turn it loose(自由に楽しもう)」がスペイン語で「下痢に悩まされる」となった失敗例は有名です。

2. 文化的な文脈の無視

翻訳が文法的に正しくても、文化的な背景を理解していなければ、ブランドイメージを損なう可能性があります。Electroluxの「Nothing sucks like an Electrolux」や、IKEAの「Fartfull workbench」など、笑いを誘う表現になってしまった例はその典型です。

3. トーンの誤訳

翻訳は、元の文章が持つトーン(語調やスタイル)を正確に伝える必要があります。中国の新聞社の記事が英訳された際に、トーンが誤って解釈され、米ドル相場に影響を与えたという事例は、その重要性を物語っています。

4. 自動翻訳に過度に依存する

機械翻訳は便利なツールですが、翻訳の品質や文脈理解には限界があります。スペイン産業省のスタッフ名「Dolores del Campo」が「Pain of field(野原の痛み)」と訳されたケースのように、重要な意味が損なわれることがあります。

5. 文化に合わない画像表現

翻訳だけでなく、画像やアイコンにも文化的配慮が求められます。P&Gが日本市場に投入した「コウノトリが赤ちゃんを運ぶ」パッケージは、日本には馴染みがなく、混乱を招きました。

6. ユーザー調査の欠如

ターゲット市場の文化や生活習慣の理解が不十分だと、メッセージが通じません。東南アジアでは「白い歯」は必ずしも美しさの象徴ではなく、ペプソデント社のキャンペーンが失敗した一因です。

7. 地域差の見落とし

同じ言語でも、地域ごとに表現や意味が異なります。スペイン語で「Vuela en cuero(レザーで飛ぼう)」が「裸で飛ぶ」と解釈された例のように、ローカルの言語感覚に精通していないと、誤解を招きます。

8. 非専門家による翻訳

言語に堪能な社員に翻訳を任せるケースはありますが、翻訳は専門的なスキルを要します。「embarass(恥をかかせる)」と「embarazar(妊娠させる)」の混同により、製品紹介がとんでもない意味にすり替わった失敗例も存在します。

9. 校正不足

最終的なチェックが不十分だと、些細なミスでも致命的な意味の違いを生むことがあります。たとえば「Year of the Woman」をスペイン語に訳した際、「El año(年)」の「ñ」が抜けて「El ano(肛門)」と表示されてしまった例などがそれに該当します。

まとめ

グローバル展開において翻訳は、単なる言葉の置き換えではなく「伝える技術」であり、ブランド戦略の一環です。翻訳ミスは、信頼の喪失、ブランド毀損、売上減少という大きな代償を伴う可能性があります。

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