- 2023.08.14
- 翻訳ハック
弊社チェッカーに聞く~統合報告書における翻訳とチェックのポイント
インターブックスでは金融・法務からエンターテインメントまで、幅広い分野の翻訳案件を承っております。
今日はその中から「統合報告書」の翻訳について、弊社の翻訳チェッカーに翻訳チェック作業の際に気を付けていることについて聞いてみました。
投資家・株主向けの資料には様々な種類がありますが、多くの企業では「統合報告書」を作成しています。今回は日本語の統合報告書を英語化することを想定して、その特徴をお伝えします。
最初に、統合報告書の内容を見てみましょう。企業のウェブサイトのトップページから、「IR資料室」や「投資家向け情報」に進んでみると、見つかります。
統合報告書には売上や資産などの財務情報だけでなく、経営ビジョンや事業戦略などの非財務情報が含まれており、企業の中長期の成長に向けたプランが盛り込まれています。具体的な項目の一例としては、代表者メッセージ、沿革、企業理念、経営計画/戦略、事業概況、価値創造プロセス/ストーリー、ガバナンス、サステナビリティなどです。
また、ビジュアル面でも、カラフルなデザインでブランドイメージを表現している、写真を多用して現場のリアルな姿を伝えているなどの特徴があります。このため、読み手からすると他のIR資料よりも読みやすく、親しみやすいものになっていると言えるでしょう。
それでは、統合報告書の翻訳やチェック作業には、どのような特徴があるのでしょうか。上記のように、統合報告書は財務、環境、社会など多くの分野を網羅しており、また各企業の業種は異なるため、その翻訳には様々な知識が必要になります。また、対象企業のウェブサイトで製品名を調べる、他の資料との整合を図る、など、大量かつ丁寧に調査をする必要があります。
さらに、統合報告書の英語版は、海外の投資家を含むステークホルダーに向けて広くアピールする目的があるため、代表者メッセージや戦略などを説得力のある表現を用いて翻訳することが求められます。
統合報告書を発行する企業は年々増加傾向にあるため、引き続き翻訳の需要も見込まれるでしょう。企業がそれぞれ趣向を凝らして作成する統合報告書を面白いと思ったかたは、ぜひ翻訳やチェックに挑戦してみてください。
神奈川県出身。大学卒業後コンサルティングファームや監査法人を経てインターブックスに。対応言語は英日、日英。趣味は海外ドラマ鑑賞、料理、旅行。
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